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補綴研修会 セミナー
![](https://natural-hashimoto.jp/wp-content/uploads/2023/11/図1.png)
2023.11.12
秋も深まり朝晩は肌寒く感じるようになりました。
皆さまいかがお過ごしでしょうか。
歯科医師の嶋田です。
先日、明海大学生涯研修主催のクリニカルスキルアップセミナー2つを受講しました。
1つ目のセミナーの内容は、
半調節性咬合器の使い方、フェイスボウトランスファーの使用方法についてです。
皆さんは歯医者さんに来て、
「噛み合わせの記録を取りますね」と言われたことはありませんか?
患者さんの顎の位置関係を、
咬合器という器械を使って再現するために記録を取っています。
患者さんの顎の動きを器械上で再現することで、
精度のいい被せものや入れ歯を作るためにとても大切になる作業工程の一つです。
歯科医療も大きな変遷の時代を迎え、
光学スキャナーの発展によって実際に模型や咬合器を使用せずとも、
データ上で模型や咬合器を使用できる世の中になりました。
ただ、データで管理、操作できる便利な時代になっても
根底にある普遍的な咬合に関する知識を今こうして学ぶことは
歯科医師としてとても大事なことだと感じました。
また、2回目のセミナーでは、
歯が一本もない患者さんに義歯を作る際に必要とされる知識、技術について学んできました。
歯が一本もないことを専門的には無歯顎といいますが、
その場合の治療は困難を極めます。
特に昨今は平均寿命の延伸が著しく
その分だけ無歯顎補綴治療の需要が増しているといいます。
今回、歯がある場合と比較して生じる細かな違いから、
それに応じた臨床スキルまで、実際に手を動かしながら学習してきました。
ここではその一部分を紹介したいと思います。
年を重ねると、大きく2つの点で変化が生じます。
1つは機能の変化、例えば顎の位置の変化、顎の動きの変化
もう1つは形態の変化、例えば顎の骨の吸収、口の中の粘膜の形の変化です。
良い入れ歯を製作するにあたってまずその患者さんの口の中の今の状態を
しっかりと把握することが大前提となります。
その一助となるのが口の中のかたどりをすることで口を模型上に再現する方法です。
今回は何も圧がかかっていない状態の口の中のかたどりについて学びました。
何が難しいかというと、粘膜は少しでも力が加わってしまうと変形してしまうことです。
圧が加わり必要以上に粘膜が押し広げられた状態が模型としてできるとその分だけ、
入れ歯が大きくなり違和感の大きい入れ歯の原因となります。
いかに圧をかけずに、誰が何度やっても同じような形がとれるか。
ソフトワックスとシリンジ、アルジネートを使用したかたどりの方法を学んできました。
とても簡単で実践しやすくさっそく診療にも取り入れることができました。
今回セミナーで学んだ多くのことを日々の臨床に生かして
これからもより良い治療を提供できるように精進してまいります。