院内技工士の『入れ歯のはなし』Part2

『入れ歯のはなし②』 入れ歯の調整

 

こんにちは。入れ歯専門歯科技工士の桑名です。

先日、入れ歯の世界コンテストで第一位に輝いている講師陣による、

 

『BPSエステティックデンチャー®︎を極める』からの

『e-Denture®︎コースでさらに上を目指す』

 

というセミナーに参加してきました!

 

東京のど真ん中、歯科業界では有名な一流メーカーのショールーム、そこで世界一の講師陣…

地方出身の僕としてはすごく緊張しました。笑

とはいえ、講師の先生方は普段から気さくで、いつも優しく接してくれるので、セミナーが始まればリラックスして楽しく学ぶことができました(^^)

 

セミナーの内容について詳しくは、全コースが終了した時点で、また改めて報告させていただきます。

 

 

 

 

さて、今回は「入れ歯のはなし」第二弾ということで、

入れ歯の調整についてお話しさせていただきます。

 

 

入れ歯を使っている方なら、経験したことがあるかと思いますが、

 

・入れ歯が当たって痛い

・入れ歯がすぐ動いて外れてしまう

・うまく噛むことができない

・入れ歯を入れると違物感が強すぎて使えない …など

 

せっかく新しく作ったのになんで使えないんだろう?

何度も調整しているのに、一体いつになったら良くなるのだろう?

うまく機能していない入れ歯を使っている方は、実に様々なストレスを抱えてらっしゃるかと思います。

 

 

 

そこで、ちゃんと使える入れ歯にするために必要な調整は何かというと、大きく分けて3つ。

 

 

1. 噛み合わせの調整

2. 入れ歯の形の調整

3. 入れ歯の内面の調整

 

になります。

これらはどれか一つを達成できたらいいわけではなく、全ての調整を終えることで、はじめて使える入れ歯になります。

 

では、順番に説明していきます。

 

まず噛み合わせについてですが、

 

入れ歯の噛み合わせは、いわゆる差し歯や銀歯のような被せ物に与える噛み合わせだけではなく、力学的に安定するように、噛み合わせの方向も考慮しなくてはなりません。

 

なぜかというと、被せ物であれば、必ずそれを支える歯根がありますが、入れ歯の下には当然歯根がありません。

そのため、噛むことで少なからず入れ歯は移動、または沈下します。

この入れ歯の動きが粘膜の痛みや、噛めないといった症状に繋がります。

 

噛み合わせの調整だけで完全にこの動きを止めることはできませんが、

力学的に安定する噛み合わせを付与した上で、入れ歯の動きに合わせた噛み合わせの調整が重要になります。

 

噛み合わせの設計をしている状態

 

 

 

 

 

次に入れ歯の形についてですが、

 

お口の中は人それぞれ、色んな形がありますが、入れ歯に関しては「あるべき形」というのがあります。

 

前回のブログにも書きましたが、入れ歯は支える歯茎の部分だけではなく、お口の中全体の粘膜を再現する型取りが重要です。

再現性の高い型取りをして入れ歯を作ると、大きさの違いはありますが、実はそのほとんどが同じような形になります。

 

粘膜を動かす筋肉は、歯がある、ないに関わらず、みんな同じ位置に存在します。

そのため、その粘膜の動きを受ける入れ歯の形というのは、必然的に決まってきます。

 

あとは、筋肉なので、お口の周りも腕や足と同じように、マッチョな人もいれば、華奢な人もいます。

この筋肉の量によって入れ歯の厚みの調整をします。

もちろん、術者がこの「あるべき形」を理解していなければいけませんが、

既存の入れ歯でも、適切な形を作って厚みの調整をかけていくことで、安定する入れ歯に変えることができます。

 

 

最後に入れ歯の内面の調整についてですが、

 

まず単純に出し入れするだけで痛い場合は、入れ歯の内面が尖っていたり、内面の張り出したところが歯茎に引っかかっていることが多いので、その部分を削ります。

 

使っている時、噛んだ時に痛い場合は、単純に内面を削るのではなく、入れ歯の動きや、噛んで沈下して触れているところなどを見極めて調整します。

 

この内面の調整は慎重に進めないと、痛いからといって削りすぎることで入れ歯がゆるくなり、逆に入れ歯が動きやすくなって違うところに痛みが出るなど、負のサイクルに陥ることがあるため、注意が必要です。

 

 

 

今回は入れ歯の調整についてお話しさせていただきましたが、

正しく機能する入れ歯にするには、この調整が必要不可欠です。

それは例えば、保険外の高額な入れ歯を新しく作ったとしても同じことが言えます。

 

入れ歯を道具から人工臓器に変える、命を吹きこむ作業がこの調整になります。

 

 

最近、医院のブログではセミナーの報告の内容が多いですが、

当院では、職種の垣根なく全スタッフで知識を共有し、日々研究を重ねながら治療に向き合っています。

入れ歯でお困りの方は、毎週木曜日に相談会も行なっていますので、いつでもお気軽にお越し下さい♪