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食いしばりは夜寝ているだけではない!?
2020.07.20
食いしばりは夜寝ているだけではない!?
歯科医師の金岡です。
活動制限がある中ではありますが、最近はWebでのセミナーを積極的に受講して、
新しい知識を得ているところです。
私たちは、日々虫歯や歯周病の治療を行うだけでなく、
なぜ治療が必要になったかという観点からもアプローチが必要と考えています。
なぜ治療が必要になってしまったか、その原因は様々ですが、
その一つに噛む力のコントロールの問題が挙げられます。
今日は力のコントロールが大切であるというお話をさせていただきます。
通常、上下の歯は食べる時や話している時に触れ合う程度で、
歯の接触時間は1日17分30秒程度とされています。
しかし、それ以外の時間にも不要な力がかかっている場合があります。
寝ている間、無意識に強い力で歯ぎしりやくいしばりのように歯をギリギリとすり合わせたり、
グッと噛み込んでいることもあるでしょう。
それだけではなく、日中、仕事や家事、勉強など何かしらに没頭している際、
歯と歯が接触し続けていることがあるとされています。
これはTCH(Tooth Contacting Habit)といい、
日本語では上下歯列接触癖と言われています。
歯ぎしりよりも弱い力が耐えず歯にかかり続けている状態です。
TCHでかかる力は矯正で歯並びを変える力よりもはるかに強い力だとされています。
その力が持続的に歯にかかり続けていることをイメージしてみてください。
では、不要な力がかかっているとどんな影響が出るのでしょうか。
・歯の一部分が欠ける
・歯の表面が削れる
・歯が折れる
・被せ物が欠けた、取れた
・歯が揺さぶられてグラグラする
・歯茎が下がる
これらにより『歯が痛い』『歯茎が痛い』『歯が浮いた感じがする』
など様々な症状が起こることがあります。
・一部分の骨が出ている
・頬や舌に圧痕がある
などからもTCHが疑われることもあります。
このように明らかな症状がなくてもわかることがあります。
この記事を読みながら
『今、歯がくっついているかな』と思いましたか?
その気づきが大切です。
TCHの対策としては意識して歯を離すことが重要とされています。
『歯を離してリラックス』
と記したメモを見えるところに貼っておいたり、
携帯のメモにリマインダーをしておいたりすることも効果的です。
また、ストレスにより起こることも多いので自分に合ったストレス発散の方法を見つけていくのも大切ですね。
明らかな症状が現れる前に対処できることがあります。
是非歯科医院へ受診してお口全体の状態を確認してみることをオススメします。
(参考文献:なるほど! TCH 〔デンタルダイヤモンド社〕)