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「米国式根管治療Ⅰ~イニシャルエンドを極める~」

2024.08.01

こんにちは。歯科医師の川端です。

 

先日根管治療専門医である寺内先生の

「米国式根管治療Ⅰ~イニシャルエンドを極める~」二日 間セミナーを受講してきました。 

 

 

 

今回実習では断髄と抜髄を行いました。

断髄とは齲蝕によって感染した神経を除去し、

健康な歯髄(神経)のみを残す治療のことで す。

 

ただし適応には複雑な条件があるため注意が必要です。

除去後はMTA(生体親和性が良い材料)にて封鎖を行います。

 

歯髄を残すメリットは

・歯髄の防衛機能と感覚を維持するため

・抜髄した歯は虫歯になりやすいため

・歯髄がない歯は寿命が短くなるため

・根の治療をしても治癒せず再発することがあるため 

 

 

 

 

 

抜髄とは歯髄が虫歯や外傷により壊死もしくは再生できないほどのダメージを負った場合、

歯 の神経を取り除く処置になります。

抜髄(初回治療)の成功率は約9割と言われており、

感染根管治療(再治療)の成功率は約6割と 成功率が落ちてしまいます。

参考文献:The outcome of endodontic retreatment: a 2-yr follow-up J Endod. 2004 Jan;30(1):1-4.

 

再治療を繰り返すと歯が薄くなり割れるリスクや、

本来の根管が失われ治療が難治化するケース、

穴が空いて抜歯になる事もあり、

抜髄がいかに重要な治療なのかがわかるかと思います。 

 

 

 

 

知識や技術をアップデート出来たとても有意義なセミナーとなりました。

今後も日々の診療に活かせるよう精進して参ります。