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お口の老化のサイン、見逃していませんか!?
2019.12.07
あっという間に過ぎた1年を思い出しながら、年の瀬を感じるこの頃…
歳を取るごとに1年が短く感じるとはよく言いますが…
こんにちは!最近顔の小皺が気になる、入れ歯専門歯科技工士の桑名です。
さて、皆さんは『オーラルフレイル』という言葉をご存知ですか?
今歯科関係者の中では大注目されているキーワードで、関連のセミナーも非常に賑わっています。
中には、ポスターや市のパンフレットなどで見かけた方もいらっしゃるかと思いますが、
平成28年度の県民歯科保健実態調査の中で、オーラルフレイルの認知度は、
なんと全体の2%しかいないということなので、今回は分かりやすく皆さんにご紹介したいと思います。
まずオーラルフレイルとは何か?
オーラル / oral =お口の
フレイル / frailty =虚弱
直訳すると『口の機能の衰え』となります。
お口に関する、”些細な衰え”を放っておいたり、適切に対処しなかったりすることにより、お口の機能の低下や食べる機能の障害、さらには心身機能の低下にまでつながる、”負の連鎖”に陥らないように警笛を鳴らす目的で作られた言葉です。
つまり、このオーラルフレイルというのは病名ではありません。
『お口の老化のサイン』として考えていただければいいかと思います。
まずはチェックリストがあるのでご自身でチェックしてみて下さい。
↓↓↓↓↓
合計の点数 | |
0〜2点 | オーラルフレイルの危険性は低い |
3点 | オーラルフレイルの危険性あり |
4点以上 | オーラルフレイルの危険性が高い |
いかがでしたか?
3点以上の方はオーラルフレイルの可能性があります。
オーラルフレイルの人が抱えるリスクについては、以下が挙げられます。
身体的フレイル2.4倍
サルコペニア2.1倍
要介護認定2.4倍
総死亡リスク2.1倍
※サルコペニア:加齢や疾患により、筋肉量が減少することで、握力や下肢筋・体幹筋など全身の筋力低下が起こること
オーラルフレイルがもたらすリスクはこれだけではなく、様々な疾患への入り口になると言われていますが、
将来の介護リスクを高めるものとして考えると理解しやすいかもしれません。
またオーラルフレイルを放置すると以下の図のような”負の連鎖”に陥ってしまうということがあります。
噛めないということから始まり、食べやすい柔らかいもの、あるいは刻み食などを食べる習慣になると噛む筋力が衰えたり嚥下をする力が弱くなります。
それによって更に噛めない状態になり口腔機能全体が低下し、最終的には心身の機能の低下にまで繋がるということです。
始まりはほんの”些細な衰え”かもしれません。
しかし、それを放置してしまうと知らず知らずのうちに大きな病気に繋がってしまう可能性があります。
ですから、オーラルフレイルの可能性が少しでも当てはまる方は、なるべく早めにご相談下さい。
そして大事なことが一つ。
オーラルフレイルはトレーニングや正しい歯科治療によって改善します!!
何度もお伝えしますが、オーラルフレイルとは『お口の老化のサイン』、言わば黄色信号の状態です。
ですから、これ以上悪くなる前に立ち止まって、また健康な状態の時に向かって歩いて行けばいいだけです。
当院では、ただ歯を治す、ただ入れ歯を作るだけではなく、地域の皆さまの健やかな生活環境作りのお手伝いができるよう、日々研鑽し治療にあたって参ります。
入れ歯に限らず、歯科治療について何か不安に思うことがあれば何でもご相談下さい(^^)