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院内技工士の「入れ歯のはなし」シリーズSTART!
2018.12.13
『入れ歯のはなし①』 骨と筋肉のはなし
はじめまして!入れ歯専門歯科技工士の桑名です。
突然ですが、『入れ歯のはなし』シリーズを始めます!
ここでは、なかなか知ることができない、歯科技工士だから伝えられる入れ歯作りの裏側をお伝えできればなと思っています。
ネタの尽きる限り配信していこうと思いますので、どうぞお付き合いください。
さて、先日テレビでもお馴染みの、東京歯科大学解剖学講座主任教授の阿部 伸一先生による
「歯科解剖学の視点から考える有床義歯」というテーマのセミナーに参加してきました。
解剖というと、みなさん小学校の時にカエルで実習したのを覚えていますか?
僕は当時虫も苦手だったので、ほとんど怖くて触れませんでした…。
そうです。あれのヒトのやつです。
あれから20数年、成長しました。今では前のめりになって見れるほどになりました。笑
セミナーでは実習をするわけではないですが、動画やスライドを見て顔の周りの構造について学びました。
では、この解剖学という学問をどのように入れ歯の製作に活かすかというと、
入れ歯というのは粘膜に浮かぶ船のようなものです。
被せもののようにセメントで固定することができないため、入れ歯は常に動いている状態なので、
何かの拍子に転覆しないようにするための形を付与する必要があります。
海でいうと波にあたる部分をお口の中でいうと、ほっぺたの内側の粘膜になります。
この粘膜は、顔の周りの骨や筋肉の動きに連動しているため、それらの動きを知っておく必要があります。
これを理解していれば入れ歯が転覆するのを避けることができますし、逆に上手くこの動きを利用して
入れ歯が安定するような形を作ることもできます!
そして、「転覆しない、外れない、安定する入れ歯」を作るためには、
骨や筋肉の動きを理解した上で、粘膜の動きを記録する必要があります。
すなわち、重要なのは入れ歯を作る際に一番はじめに行う作業の、型採りになります。
特殊なシリコンを使って立体的に記録された型採り(BPSデンチャー)
一般的な型採りはお口を大きく開けて、その状態を保ったまま行います。
しかし、それでは実際に粘膜が動いた状態を記録することができません。
そこで、特殊な材料を使ってお口を動かしていただき、粘膜の動きを隅々まで記録していきます。
このような型採りを行うことで、実際に使った時に安定する入れ歯を作ることができます。
時には吸着して入れ歯が外せないこともあるくらいです。笑
また当院では、加齢とともに衰えてしまった筋肉を活性化させるための、
トレーニング用の入れ歯(リハビリデンチャー)も製作しております。
入れ歯についてお悩みがある方は、初診時に相談をさせていただきますので、
お気軽にお声かけ下さい♪