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無菌的処置の徹底
2022.08.31
こんにちは、歯科医師の油井です。
先日、歯内療法の専門医である石井先生が主催された
『石井歯内療法研修会』に参加してきました。
歯内療法とは、歯の中の根っこの治療のことを言います。
主には、虫歯の感染が歯の神経まで広がってしまった場合に必要となる治療になります。
今回の研修会の中で改めて勉強になったことは以下のことになります。
論文等のデータでは、歯内療法の成功率は、
初回で90%、再治療で60~80%と述べられています。
(Salehrabi R,(IEJ.2004), Gorni FG,(J Endod,2004))
この成功率を上げるために欠かせないのが、
『無菌的処置の徹底』です。
無菌的処置の天敵は『唾液』です。
唾液の中には細菌が無数に存在しています。
治療中、唾液が根っこに入り込んできてしまっては、
治療をしている意味が無くなってしまいます。
この無菌的処置を実行するための道具のひとつが、
ラバーダム(ゴムのマスク)です。
当院のブログでも何度も出てきているのでご存知の方もいるかと思います。
ラバーダムは、治療中の歯だけを隔離し
唾液が入り込んでこないように防ぐ役割を果たしています。
無菌的処置に欠かせないのはラバーダムだけではありません。
仮封(仮のフタ)もとても大事です。
歯内療法を進めている時、
毎回治療の最後に歯に仮のフタをしています。
患者さんが口を閉じても根っこの中に唾液が入り込まないようにするためです。
厚み3~4mmで、気泡が入らないように丁寧に仮のフタをつける必要があります。
この2つ以外にも大切なことはあります。
滅菌した器具を使用する等、挙げればキリがないですが、
歯内療法の治療をする際には
『無菌的処置の徹底』に日々努めております。
これからも、よりよい歯内療法の治療を提供できるよう精進して参ります。