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石井歯内療法研修会セミナーを受講

2023.09.29

少しずつ涼しくなってきており、秋が近付いているのを感じます。

歯科医師の嶋田です。

 

 

先日、石井歯内療法研修会セミナーを受講しました。

歯内療法とは、歯の根っこの治療(根管治療)のことで、

その分野について学んできました。

セミナーでは改めて肝に銘じておきたい大切なお話を頂戴し

今後の治療に生かしたいと思うことが多く、

非常に学びの多いセミナーでした。

 

 

 

その中でも特に印象に残った、

根管治療の成功率とそれに直結するラバーダム防湿法について、

この場を借りてお話したいと思います。

 

根管治療には2つのパターンがあることをご存知でしょうか。

1つは Initial Treatment

もう1つは Retreamentです。

 

Initial Treatmentとは抜髄ともいい、

う蝕(むし歯)や歯の外傷などで歯の神経が炎症を起こしてしまい

強い痛みを生じた時に神経を除去する治療のことをいい、

 

Retreatmentとは一度根管治療を受けた歯の内部が感染症を起こしてしまい、

再度根管治療の必要があり治療することをいいます。

 

根管治療の成功率はInitial Treatment だと90%、

Retreatmentだと60~70%と論文で報告されています。

そもそも根管内で細菌数を0にすることは、

根管の形態の複雑さや、細菌の抵抗性などから不可能とされていますが、

Retreatmentとなってしまう、

つまり根尖性歯周炎が発症してしまうまでには、

根管内で細菌数が一定数以上に増加してしまうことが背景にあります。

(引用:Siqueira JF et al,  JOE 2008)

 

 

 

そのため、いかにInitial Treatmentで根管内に入る細菌数を減らせるかが大事になってきます。

 

そこで必要となってくる概念が無菌的処置の徹底です。

 

当院では根管治療をする際には当たり前となっているラバーダム防湿が無菌的処置の基本となります。

既に当院に通っている患者さんはご存知の方が多いと思いますが、

ラバーダム防湿とはゴム製シートを使って口から治療する歯を隔離する処置をさします。

これによって無数の細菌が含まれる唾液による根管内の汚染を防ぐことができます。

そのほかにも、治療中に使用する強力な薬剤が漏洩しないように軟組織を保護したり、

細かい器具の誤嚥のリスクから守ったりなど様々なメリットがあります。

 

ラバーダム防湿を徹底することは、根管治療においては基本的なことです。

Retreatmentとなるリスクを低くするためには

他にも沢山のことに気を付けなければいけませんが

改めて基本概念は大事だなと認識ができました。

 

ラバーダム防湿以外も多くのセミナーで学んだことを生かして

これからもより良い治療を提供できるように精進してまいります。