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朝の歯磨きしていますか?

2025.12.04

朝の歯磨きしていますか?

歯科医師の遠藤です。

 

夏の暑さから一気に気温が低下し、

風邪やインフルエンザなど体調を崩している方も多いのではないでしょうか。

そこで、様々な病気から体を守り元気に過ごすために、

朝の歯磨きをおすすめします。

 

みなさんご存知の通り、毎日の歯磨きはむし歯や歯周病を予防します。

ただ、歯磨きの効果はそれだけではありません。

 

全身の健康にも大きく関わっているのです。

病気の予防におすすめの1つが起床直後の歯磨きです。

 

起床直後は、増えた細菌が気道に入りやすい状態で、

細菌は喉や気道の粘膜バリア機能を弱めてしまいます。

すると、免疫が下がるため病気にかかりやすくなります。

最近の研究では、歯周病菌が出す酵素がインフルエンザウイルスの粘膜侵入を助けてしまう、

という研究・報告も出てきました。

引用)Porphyromonas gingivalis gingipain potentially activates influenza A virus infectivity through proteolytic cleavage of viral hemagglutinin  Journal of Biological Chemistry Noriaki Kamio, Marni E. Cueno, Asako Takagi, Kenichi Imai DOI: 10.1016/j.jbc.2025.108166

 

また、歯周病が心臓病や糖尿病と深く関連しているということはだいぶ周知され、ご存知の方も多いと思います。

引用)Periodontal Disease: A Risk Factor for Diabetes and Cardiovascular Disease.     Int J Mol Sci . 2019 Mar 20;20(6):1414. doi: 10.3390/ijms20061414

つまり、ここ最近の研究や報告により、

歯周病は口だけの病気ではなく、慢性炎症疾患であり全身疾患のリスク因子と認識されています。

そのため、

  • 起床後の歯磨き

  • プラークコントロール

  • 定期的な歯科メンテナンス

は、全身の健康にも寄与する可能性が高いと考えられています。

 

そのため、起床直後に歯磨きをすることで、

口の中の細菌を洗い流し粘膜の防御力を上げることが、病気の予防にもつながる可能性があります。

また、歯磨きをすることで口の中が刺激されて唾液が出ます。

刺激によって出た唾液は細菌の増殖を抑えるため、

結果、さらに病気の予防につながる可能性があります。

 

 

小児歯科では、子供のうちから朝の歯磨きの大切さを伝えています。

タイミングについては色々な考え方があるのでこれが全てではありませんが、

1つ起床直後の歯磨きも参考にしていただき

それを習慣化することで、健康維持を目指してもらえたら嬉しいです。