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石井歯内療法研修会 2日間セミナー

2026.05.11

新年度が始まり暖かい日が増えてきましたが、いかがお過ごしですか?

歯科医師の武宮です。

 

土曜日・日曜日の2日間のコースである、

石井歯内療法研修会を受講しました。

 

歯内療法とは歯の根っこの治療のことで

根管治療と言いますが、

根管治療の科学的根拠に基づいた治療コンセプトを、

論文やデータをもとに紹介していただき

臨床や治療にすぐ活かせると感じました。

 

 

その中で歯内療法における成功率や再治療について学んだことを少し書きたいと思います。

 

まず我が国における根管治療の件数は増加傾向にあります。

これは抜髄(歯の神経を除去する治療)の増加だけでなく、

感染根管治療(神経の治療を既にしている歯のの再治療)の増加にも起因しています。

2019年(令和元年)の「社会医療診療行為別統計(6月審査分)」では、

  • 抜髄+抜髄即充:537,577件
  • 感染根管処置+感染即充:701,904件

と報告されており、1か月だけで123万件にもなります。

 

では何故増加しているのか。

感染根管処置/抜髄比は約1.31倍ということもわかるように、

感染根管治療(再度の根っこの治療)の数が多いからと考えます。

 

根管治療の成功率は専門医の先生でも100%ということはなく、

再治療になると成功率は抜髄よりも低下します。

引用)Outcomes of Primary Root Canal Therapy: An Updated Systematic Review of Longitudinal Clinical Studies Published Between 2003 and 2020.

International Endodontic Journal. 2022. Burns LE, Kim J, Wu Y, et al.SR

 

 

これらは不十分な無菌環境の設定や、

解剖学的・医原性的な殺菌消毒の不可能な部分から生じることが多いです。

再治療に関しては、歯科医師の治療により

歯質の減少や感染経路の増加からリスクが増加するとも考えられます。

 

どうしたらこれらのリスクを抑えられるのかを今回の研修会で勉強しました。

まず、基本的なこととしては、徹底した無菌的治療です。

ラバーダム防湿による術野の汚染防止は当然のこと、

十分な仮封(仮の蓋)・根管充填(根っこの管に神経の代わりに詰める)、

器具の滅菌・使い捨て化などで

少しでも感染のリスクを下げることが大事ということは

以前から知っていましたが、徹底した無菌的治療が基本のキであると、

改めて大事なことであると再認識しました。

 

 

 

他にも細かい話をたくさん聞き、それら全て勉強になりましたが、

患者さんに根管治療の必要性をよく伝えるということも重要だということも学びました。

病変の拡大、治療の恩恵、再治療におけるリスク、術後の疼痛などを

治療前だけでなく、治療中も治療後にも、患者さんに説明し治療を理解していただくことを今後も意識して治療にあたります。

 

何が最も患者さんのためになるかを判断することは常に大事ですが、

根管治療は1回で終わらないことも多い治療のため

それらの詳細を常に患者さんに伝えることもこれからの臨床で行っていきたいと思っています。

 

今回たくさんの学びを得ることができましたが、

これからも日々精進して、常に勉強を続けていこうと思います。